牙-KIBA- 第33話「失われた輝き」

「ノアの奴に言っとけ。会いたいなら自分から来いってな」


今回のアバンは新規作画。
以前ゴロツキ一家をロベス邸から退けたお礼ということで、メイド達から食事をごちそうになるゼッド達3人。前回かなり落ち込んでいたゼッドも「アルマドルが転んだだけなのにな」とミッキーに軽く突っ込める程度の余裕は戻ったようです。開店10周年記念の福引(運命の風マシーンじゃなかったのが残念(笑))でゼッドは見事に(?)食パン1年分を引き当て、その無駄な量に青くなる一同、反対に赤くなるゼッド。珍しく照れてる……にしては表情がおかしい?と思ったら、高熱でダウン。テーブルにうつぶせて苦しそうに呼吸するゼッドはとても良いサービスカットだと思います。素晴らしい。
一発ネタと思われたメイドネタをまだ引っ張ってくるとは。ゼッドが倒れるシチュエーションをやるだけなら別にメイドを出さなくても出来そうなんですが、確か24話と今回で脚本家が同じのはずなのでメイドを絡める方が話を作りやすかったのかなと。


高熱にうなされながら、自分を置いて飛び去っていくアミル・ガウルの夢を見るゼッド。目覚めると、左腕のアミルの反応が消えていました。ロボットアニメの場合、中盤に改造で機体が強化されたり、上位機種に乗り換えるというパワーアップイベントが必ずありますが(それ以外だと新必殺技習得とか)、これもたぶんその類なんでしょう。アミルのパワーアップ……、目が開く? アミル自身というより、ゼッドがアミルを自由に使いこなせるよう成長するためのイベントっぽいかな。


建国記念祭で吹くハーモニカの練習をしているサギリ。上手く出来ず投げ出そうとするサギリに、自ら吹いて見せるノア。カームでもゼッドに聴かせたりしてたんでしょうか。ハーモニカは肺機能を回復させるためのリハビリに使われることもあるそうなので、そういう理由で吹けるんだとしたらちょっと切ないかも(たぶん関係ない)。
幼稚園(小学校?)が終わりサギリを迎えに来た時の「先生にほめられたよ」「そうかぁ」のやり取りや、ベンチに座ってサギリのハーモニカを聴いているあたりは普通に親子っぽいというか、ノアがまるでお父さんのようでした。一時、ノアがサギリに冷たくなったように思えた時期があったんですが(お守り断るにしてももうちょっと言いようがあるだろう、とか)、あれは演出ミスなのかそうではないのか、いまいちよく分りません。
キーラを見て「さっきの人……。キレイな人だったね」とサギリがぽつり。誕生日プレゼントの時といい、可愛いらしいヤキモチです。しかし、ノアといいゼッドといい、女(乙女)心に疎いのはどちらも良い勝負の気がします。まあ、まだ15だしあんまり分りすぎなのもあれですが。


式典警備の部隊配置のことでキーラを呼びとめるノア。眼鏡を外したキーラを見て何を言うかと思いきや、「君は眼鏡をしない方が魅力的だなーと思っただけさ」と来ました。その言葉に動揺するキーラの様子に、「ノアが救世主だということを忘れないでいて。例え、あなたが彼に特別な感情を抱いたとしても」と釘を刺すダイアナ。女の戦い勃発? あなたごときはノアには釣り合わないのよということなのか、上司として任務上の忠告なのか。ダイアナは前回ずいぶんとノアを庇っていたので、彼女も多少ノアに心を動かされているように見えなくもないのですが。
部屋に戻り、髪を下ろし眼鏡を外した自分の姿をガラスに映すキーラはお約束。牙って予想外の展開するくせに、こういうベタなところだけはしっかりやってますよね。


ネオトピアに攻め入るため、ジーモットに援軍を要請するヒュー。仮面のタスク幹部がガリに指揮を取るように仕向けたのは、戦争にかこつけて用済みの邪魔者を消してしまおうという魂胆でしょうか。
「私の手に入らなければ壊してやるさ。全部なあ」 テンション高いヒューに、エルメイダとヌデューはかなり引き気味です。元々仲間意識があるようなジーモット軍ではないですが、果たして今後どうなるのやら。


ゼッドが池のほとりに寝転んで考え込んでいると、突如現れたネオトピア兵。「余は約束などした覚えはない」と、ジーコとの約束など更々守る気のなかったハイラムの命により、ゼッドをネオトピアへ強制連行。シフティングシャードはああいうやり方も出来るのか。さすがにロイアはいつものように無理にくっついて行くことはしませんでした。
ゼッドは「ノアに言っとけ」って、もう会いたくもないと突っぱねるのかと思ってしまいました。「自分から来い」だなんて意地張っちゃってるのか、可愛い。そういえば、羽飾りはまた腰で揺れているのをしっかり確認しました。結局付け直しちゃうなんてホント可愛い奴。
シフティング中にランボスを呼び出すゼッド。手乗りゼッドが可愛いです。この構図はなんだかツボですよ。初めてスピリットの無駄な図体のデカさが良いと思えました。今度は是非アミルで手乗りを。そして、ランボスとの連携プレー。ランボスに乗って逃げるのかと思いきや、ジャンプ台代わり。獣人以外で生身でスピリットに向かっていくのは、ゼッドぐらいなんじゃないでしょうか。しかも難なく倒しちゃうし。
力尽きて倒れかけたゼッドに残っていたネオトピア兵が襲おうとしたところを、近くの廃屋に潜んでいたヘリック達が阻止。「覚えているか」というヘリックの言葉に一応頷くも、ゼッドは呼びかけに応えないアミルが気になって仕方ない様子でした。


次回予告。
ついに戦争が本格化してしまいそうです。そうして、お子様達も否応なく巻き込まれていくのか……。ネオトピアへの出禁を食らったジーコは何故か牢屋の中。無理に行こうとして閉じ込められた? 引き篭もりのアミルという不安を抱えたまま、ゼッドは果たしてどういう行動を取るのでしょうか。