サンライズフェスティバル2013星彩 魔神英雄伝ワタル25周年記念トークショー&TVスペシャルセレクション レポ2

2013年8月25日に開催された25周年記念イベントに参加してきましたので、そのレポートです。トークショーのレポートについては、記憶のみで書いていますので若干の誤りやニュアンスの違いなどもあるかもしれませんが、ご了承ください。口調も適当です。一部敬称略。 → レポ1 2 3 4 5(完)

トークショー その2

質問コーナー

ゲストへの質問は、事前にサンフェスの公式サイトで募集されていました。
質問1 ご自分のキャラクターの第一印象は?
田中「可愛いなと思いました」小林「それまでも数多くの少年キャラクターを演じられてきたと思いますが、それらと比較してみてどうでした?」田中「その中でも特に可愛らしいキャラクターだなと。龍神丸の印象は……ブサイク?」小林「(笑) 当時、アニメ作品としては頭身が高いロボットが主流でしたから、いわゆるSD体型に違和感があったのでしょうね」
伊倉「私は最初、ワタルの母親役で1話に出演していたので、次の出番は帰って来たのを出迎える時かと思っていたんです。それが、新しいキャラクターの役(虎王)をもらって。その場限りのゲストかと思いきや、シリーズ通して出番のあるキャラクターになるとは想像もしませんでした」田中「虎王は人気あるもんねっ。私がラジオ番組にゲスト出演した時の人気投票では、ワタルが10位、虎王が1位で。ゲストに呼ばれて一番下ってないよね」伊倉「番組側も気を遣ってくれてもいいのにね、5位から発表するとか(笑)」田中「ワタルも人気がないわけじゃないと思うんですよ。でもきっと、ワタルは他の人もいれるだろうから自分は他のキャラクターに投票しよう、という人も多かったじゃないかと。ワタルはとりあえず置いといて、クラマに入れようとか」小林「今回は質問と一緒に、好きなキャラクターも募集していますから、後で順位を発表しますよ」 果たして10数年越しの戦部ワタル雪辱戦となるのかっ!?
質問2 キャラクターを演じるうえで気を付けていたことはありますか?
田中「音響監督の藤野さんには、よく『それは田中真弓でしょ』注意されていましたね」小林「それは田中さんの素が出ているという?」伊倉「真弓ちゃんはどの作品でもそうだよね(笑)」田中「役者には、きっちりキャラクターの役作りをしてそこに入り込んで演じるタイプと、なるべく自分のままで演じるタイプに分かれると思うのですが、私は後者なんです。その方が自分持っている喜怒哀楽の幅などをそのまま生かすことが出来るので。インタビューとかの××のキャラクターをやってください、というのが苦手なんですよ。私が『ハッキシ言って』と口にすれば、もうそれは戦部ワタルなんです。他のキャラクターはそんなセリフ言わないじゃないですか」
伊倉「今演じるとしたら色々気を付けることもあるとは思うんですが、当時は自由にやっていましたね。私の演じ方は真弓ちゃんとは逆タイプなんです。現実の伊倉一恵はそんなに自由奔放ではないんですが、キャラクターだからこそ自由にできるというか。自分ではなくこのキャラクターだから、ここまでやっちゃえるみたいな」
質問3 「おもしろ」「カッコいい」と思うシーンはそれぞれどこですか?
田中「おもしろいシーンでパッと思い付いたのは、シバラク先生がカバにされちゃって、戦神丸呼び出す時に電話のボタンが押せないシーンかな*1」 この時、壇上ではボタンを押せなかったのは「ケータイ」という前提で話が進んでいたので、「そのシーンはは公衆電話だよー」「PHSは『超』からです」という会場からのツッコミに「あの頃まだケータイなかったっけ!?」と驚く御三方。「あなた達はまだ30代だから覚えてられるのよ。この歳になると、経験してきたことが多すぎて全部覚えてれられないの」と田中さん。88年に携帯電話が存在していたかいないかで言ったら、一般に普及していなかっただけで存在はしていたようではありますが。
小林「カッコいいシーンはいかがですか?」田中「…………ZZZZZZ(イビキ)」 まあ、急に言われてもなかなか思い付かないですよね(笑)。伊倉「最初はコミカルにストーリーが進んで、それがだんだん壮大に盛り上がっていくのが良いというか、そこがカッコいいなと思います」

関係者からの手紙〜ワタル25周年に寄せて〜

当時のスタッフとキャストからのお手紙を田中さんと伊倉さんが朗読してくださいました。どのお手紙もとっっても素晴らしかったのですが、残念ながら私の記憶力及び文章力では1/10も再現できません。この10倍以上は素敵な内容だったと想像しながらお読みくださいませ。
総監督:井内秀治さん
「当時は無我夢中で作っていました。25年が経ち、35歳になったワタルは結婚して子どももいるのでしょう。子どもはあの頃のワタルと同じ10歳くらいでしょうか。大人になったワタルが再び創界山を訪れて、あの頃と変わらないヒミコ達と出会う、そんな物語を一人考えてニヤリとしています。当時の私は30代でワタルは自分の子どもであってもおかしくない年齢でしたが、今は孫ぐらい離れてしまいました。でも、寂しくはありません。創界山では、いつでも彼らが笑顔で出迎えてくれるのですから」
私は井内監督の手紙が一番ぐっときました。大人になったワタルの創界山訪問のお話、楽しそう♪ 田中さん、監督の名前「いうち“しゅうじ”」と読んでましたね。井内監督もワタルナイト!で、本名の“ひでじ”でもPNの“しゅうじ”でも好きな方で呼べばとおっしゃってましたし、私も“しゅうじ”の方が馴染んでいたりします。
プロデューサー:吉井孝幸さん
「少年向マンガ原作やハイターゲット向けがTVアニメの主流だった当時、大袈裟な言い方をすれば、オリジナルのアニメ発信の子ども向け作品の復権、それが『ワタル』に課せられたミッションでした。TVアニメ初監督の井内さんやアニメ初参加のレッドカンパニーなどの新しいスタッフとベテランスタッフが組み合わさって良い作品が出来ました。本当の悪役もいない死人も出ない、王道の冒険活劇、癒し系の作品だと思います」
そのミッション、『ワタル』はしっかり果たせたと思います。
企画協力:広井王子さん
吉井プロデューサーの手紙を伊倉さんが朗読し、今度は田中さんが広井さんの手紙を手にします。封筒から便箋を取り出した田中さん、「長い!」と小林さんに押し付ける無茶振り(笑)。小林「いやいやいや本業の人が読んでくださいよ!」田中「あなたも司会業(喋る職業)でしょ!」小林「トチったらごめんなさい。レッドカンパニーの方」
サンライズから企画の話をもらい、和風ファンタジーにしたい、和風なら歌舞伎の要素を入れたい、ビックリマンが流行っているからロボットの頭身は潰そう、と色々考えていましたが、それも煮詰まってきて安請け合いしちゃったかなあと思い始めた頃。事務所のトイレが詰まり水が溢れ出してスタッフが慌ている。便器に手を突っ込んで異物を掻き出すと、便器の水が勢いよく渦を巻いて流れていくのを見て、パっと脳裏に“龍神丸!”と浮かび、アイディアが膨らんでいきました。自分の作品は家に飾らないと決めていますが、唯一龍神丸だけは机の脇に置いてあります。これからも見守っていてくれ、龍神丸!」
広井さんのお手紙、途中であまちゃんとかじぇじぇという単語が出てきた時には、一体この話どこへ行き着くの……?とちょっと心配になりましたよ(笑)。
忍部ヒミコ役:林原めぐみさん
林原さんの手紙を手にした田中さん、今度はジャンケンで伊倉さんに押し付けました(笑)。広井さんも林原さんも確か3枚あったかな。小林「こういう手紙って社交辞令的なところもあって、普通は1枚で終わることが多いんですよ」
サザエさん時空名探偵コナン時空が適用されていなければ、ワタルも35歳。由美ちゃんと結婚しているのでしょうか。少女Aや通行人Bの脇役をやっていたところから、初めてOPに自分の演じるキャラクターが出たのがヒミコでした。1話のアフレコが看護学校の卒業式だったことも忘れられません。どこかまだ学生気分も抜けきらないまま自由に演じていましたが、同じ事務所だった西村さんに『君がこうやってのびのびと演じることが出来るのは、周りがそう出来るように気遣ってくれているからだということを忘れてはいけないよ』と諭されたことを覚えています。アフレコの後、よく皆でご飯を一緒に食べに行って、豚キムチが流行っていましたね。台本のいたずら書きもありましたね。母によく真弓さんのことを話していたのですが、野球選手に真弓という苗字の方がいたこともあって、母は真弓さんを男性と勘違いして、ヤキモキしていたようです。スマスマのナレーションの収録に行った時、プロデューサーに『林原さんってヒミコですよね。ワタル大好きでした! 岐阜で大人気でしたよ! 小学生でなかなか魔神買えなくて……』と言われたので、人気は岐阜だけじゃないですよと訂正しておきました」
伊倉「私もナレーションした番組のプロデューサーに、ワタル好きですって言われたことありますよ」小林「僕も今回司会をすることを周りのスタッフに話したら、ものすごい食い付きが良かったんですよ」
シバラク役:西村知道さん
西村さんの手紙は1枚だったので、田中さんが朗読。
「ワタル、虎王、元気ぃ? シーバちゃんでーす。アフレコの時、台本にラクガキする人がいたので、拙者はトイレにも台本持っていったんじゃ。アフレコの後のご飯は、毎週毎週浮気もせずに豚キムチ一筋でした。ワタルと虎王にはキャラソンがあって羨ましがっていましたが、後年、シバラクにも曲*2を作ってもらえて嬉しかったです。想い出は尽きませんが、語り出すとキリがなくイベントの時間が終わってしまうので……。もし『ワタル』の番外編などが作られることがあれば、老体に鞭を打って駆け付けます」
渡部クラマ役:山寺宏一さん
「新人だった自分にとって、クラマは忘れられない役です。クラマは途中で人間の姿に戻りましたが、色んな人に鳥の方が良かったと言われました。台本のいたずら書きは、レギュラー内ではシャレで済んでいましたが、ゲストにも同じノリでやって怒られたこともありましたね。レギュラー陣がボケないうちに、同窓会やりましょう!」
用意されたお手紙はここで終わり、あれ、玄田さんのはないの??と思っていると「玄田さんからはボイスメッセージでもらっています。ほら、龍神丸はペンを持てないですからね」と小林さん。
龍神丸役:玄田哲章さん
「皆、こんにちは!」観客「「こんにちはー!」」「声が聞こえないぞ、もう一度だ! こぉんにぃちはー!!」観客「「こーんにちはー!!!」」 「25年前に生まれた子どもは25歳、25歳は50歳、75歳は100歳、シバラクは何歳になったのでしょうか。ある日、本番中に台本のセリフが読めないくらい黒く塗りつぶされているのを発見した時は肝が冷える思いで、何が書かれていたか思い出すのに苦労しました。(ここで誰がやったんだろー?的なリアクションをする田中さん) それからは当日も台本をしっかりチェックするようになりました。イベントも沢山あって、だんだんエスカレートしてコスプレまでするようになっていましたね」
「よし、真弓。あれをやるぞ」田中「アレ??」おおっとコレはアレ来ちゃう流れ!?とワクワクする私。「――行くぞ、ワタル!! 私の名を呼ぶが良い!」田中「玄田さーんっ」(観客にマイクを向けて)観客「「玄田さーんっ」」「(しばらくの間)おおーっっ!! シャンゼリーゼー♪ ……失礼。もう一度行くぞ!」田中「えっもう言っちゃっていいの?? 『龍神丸ーっっっ!』」 ……シーン。全然召喚されてこないぞ龍神丸と思いかけた頃に「行くぞ、ワタル!!」で田中さんズッコケ、会場大爆笑。田中さんはそのまましばらく床に突っ伏してました。その後、気を取り直して再度「龍神丸ーっっ!!!」「おおーっっ!!」をやってくださいました。ああ、田中さんの生「龍神丸ーっっ」耳福でした。うっとり。

これで関係者からのお手紙は終了。キャストの方は全員、台本イタズラ書きのことと、アフレコ現場が楽しかったということを書かれていました。玄田さんのお子さんは、玄田さんが『ワタル』の収録に行く時いつも楽しそうにしているので遊んでいるんだと思い「一緒に行く!!」と言いだしたくらいだそうです(笑)。素敵な現場だったんですね。


レポ3に続く。

*1:『1』29話「変身! ワタルのわんわん物語」 2010年ワタルナイト!で上映

*2:『3』ヴォーカル・コレクション2収録「You are my love」格好良い曲でした