牙-KIBA- 第44話「解けない呪縛」

「なんでだよっっ。俺は嬉しかったのに! あんたが無事でいてくれて、あんたに会えて! それなのに……っ」


「さあ、いい子だから私にアミル・ガウルを頂戴」とモナディを召還してゼッドに迫るサラ。反撃できないゼッドに、サギリがキースピリットのシャディンを初召還しました。
他のキースピはスマートなのに、シャディンはずいぶんずんぐりむっくりした体型で。シャードマークが露出していなくともシャードは使えるものなんでしょうか。シャディンを召還しても、サギリに負荷がかかっている様子は特にありませんでしたね。
サラを追いかけようとするゼッドに、どうしても行きたければワシを倒していけとジーコ
「アミル・ガウルの力は強大だ。それ故に魔は強く、闇は果てしなく深い」 ゼッドがアミルの魔に取りこまれることなく正常を保っているのは彼の精神がそれだけ強いということなのか、アミルが自ら選んだ存在だから拒否反応がでないということなのか。
ジーコと剣を交えていたゼッドはアミルを召還しようとしたところで隙を突かれ、ジーコに気絶させられてしまいました。久々の気絶→投獄の牙お約束の流れが来ましたね(笑)。しかし、ロイアの「駄目ぇっ!」はどこにかかっているのかイマイチ分かりません。


「化け物だろうが何だろうが、俺のおふくろだっ!! ……俺の、おふくろなんだ」
人様の母親を息子の前で「化け物」言うのはちょっと酷くないでしょうか、ジーコ。いやまあ、ジーコが酷いのは前々からなんですが。「……俺の、おふくろなんだ」と言った時のゼッドの表情とちょっと震えた声が切ない。
カームの病室、サラの前には火の灯ったロウソクが立てられたバースディケーキ。「このケーキ、ノアが用意してくれたんだぜ」と火を吹き消すゼッド。
反応のないサラにしょんぼりと肩を落としたり、かすかに微笑んだサラにうるうると嬉しそうにしている年相応の素直な表情を見せるゼッドは、あんまりに健気すぎてぎゅっと抱きしめていい子いい子してあげたくなります。
ゼッドにしろノアにしろ母親のことだったり自分自身の体のことだったり、二人とも幼いながらに何か悟ってしまいそうな重い事情を抱えているだけに、お互いの存在が支えになる部分は大きかったのだろうなあ。


タスクでは、テンプラーに侵入しアミルを奪取する話が進行中のところに、珍しく姿を見せるたギトラ。ジームとデュケムを交互に見比べて観察しているかのようなモーリマは、やはり何か考えていそうな感じです。
「そのタスカーの力、誰か見たものがいるのか? この現状のタスクの衰退はむしろその血脈の濃さにある」 血脈の濃さというのは何か展開上の意味はあるのでしょうか。四幹部のうちジームとギトラが兄弟というのも、血の濃さを表している?
ここでのやりとりを見ていると、やっぱりギトラは裏切りそうな雰囲気が濃厚なんですが、牙だけに実際どう転ぶかは分かりませんよねえ。


「今までおふくろとマトモに話したことなんてなかった。ようやくそれが出来るんだ!」
食事を持って来たロイアを説得し、牢から出てサラの元へ向かうゼッド。同じ頃、シーカーズから迎えが来ると知らされたサギリも、連れ戻されてはノアを助けに行けなくなると城を脱出。人の生気を求めてさまよっていたサラは三度のジーコとの対峙。ジーコが優勢で押していたものの、抜け出してきたサギリが人質にされてしまいました。
人質を取られて身動きできないジーコをいたぶるサラは見事なまでに悪役……。
お嬢さん達と目隠し鬼やっているロベスが、相変わらずマイペースすぎて素敵です。城の喧騒には気がついていないのでしょうか。いつぞやのゴロツキ一家もサラに襲われそうになってましたね。こんなところで再利用かよ、みたいな(笑)。


「おふくろ、あんたと俺の間には親子と呼べるような触れ合いは何もなかった。だが、俺はあの時の笑顔は忘れねえ」
家族の情というのも血の繋がりどうこうより、幼い頃からの想い出の積み重ねによって湧いてくるものだと思うんですよ。ゼッドにとってはあのかすかな微笑みが数少ない(唯一の?)母との想い出であり、支えだったんでしょうね。しかし、あの微笑みもゼッドに向けてのものなのかどうかも怪しいところ。
「俺は嬉しかったのに! あんたが無事でいてくれて、あんたに会えて!」
「真の資格者はこの私。何故なら、私が一番アミル・ガウルを愛しているから。アミル・ガウルが私の全て、私の命。――アミル・ガウルこそが私の愛するもの」
「そんなにこいつが大事か……、そんなにこいつが欲しいのか……! だったらくれてやる! くれてやるよ……っっ!」
……サラ、ゼッドのことは本当にどうでもいいようですね……。まだ可愛さ余って憎さ百倍というなら、いくらかでもゼッドに比重が置かれていることになるのに、全くもって関心の埒外というのが何ともやるせない。ゼッドの叫びが悲痛です。彼も自分の問題で手一杯で、世界が争いがどうなんていう余裕はすっかりなくなってしまいましたね。
サラに関しては今月中にケリをつけるのだとは思いますが、一体どのような展開になるのでしょう。ゼッドの想いが報われる方向には期待しない方が良さそうか……。


今回はゼッドの脚のラインがすごいキレイだなーと思って観ておりました。ゼッドの脚線美は良いものですよ、うん。しかし、ゼッドがあんまりに不憫すぎて、ママンにアミルを差し出した時のポーズとか顔を背けた時の表情がたまらんとか、ゼッドが精神的に傷付いた時の表情が可愛いと言うのはどうも憚られます(言ってるじゃないか)。


次回予告「篭城の少女」
ゼッドがシーカーズにいますね。ということは、サラが何故今シーカーズに属しているのかが判明しそうです。ゼッドの父のことも分かるのかも?
次回も出てくるのかどうか分からないノアですが、戦争始まってからはずっとヒーリングシャードを受けられる状況ではないですよね。またカームの時の状態に戻ってしまっているのでは。牙ってキャラクター切る時はスパっと切るし出さない時はホント出さないしで、その潔さというか淡白さというかに妙に感心します。