牙-KIBA- 第29話「すれ違う友情」 その1


「僕は強くなったんだ」「そんなんで強くなれるわけがねぇ。それを俺が教えてやる」
あのー、ジャウスト以外の戦闘行為は禁止なんじゃなかったですかね。あれは公務妨害に対する制裁というスタンスですか。なんにしろ医療施設内でおっぱじめるな! せめてやるなら素手でいけ、素手で。
ノアのゼッドに対する執着が内に秘めた想いから、表に出して直接ぶつけるようになりましたが、当のゼッドはスルー気味でノアが空回りしているように見えて少し不憫に思えます。やる気満々のノアを軽くあしらって、さっさとロイアを助けに行ってしまいましたし。
ロイアとの面会後、なお戦いに拘るノアを一蹴して去ろうとするゼッドの後姿に「僕は強くなったんだ」と訴えているノアのシーンは、なんだかメロドラマ臭を感じてしまいました……。


話数を重ねる度、ノアの精神状態がどうなっているのか判らなくてもやもやします。
精神的に弱った状態の下地が出来ていたとはいえ、短期間でのあの急激な変貌は洗脳されたようにしか思えないのにそれを示す描写はないし、自ら受け入れたのだとしても、規律違反者をためらいなく処刑できるに至るまでの葛藤や躊躇の描写がないので唐突で戸惑うばかりです。言動の振幅が大きすぎて、前者で考えても後者で考えても違和感が生じてしまうんですよね。ノアがあそこまで絶対規律に傾倒している理由を視聴者にも納得できるように描写してくれないと、置いてけぼりですよ。
何らかの意図があってあえて描写を省いているのか否かは不明ですが、個人的にはその過程が分った方がより親友対決を楽しめるのになあとは思います。……単に脚本や演出のノアの捉え方がバラバラなだけだったらどうしよう。


ロイアとかロベスについては、その2で。