牙-KIBA- 第25話「戦いの序奏」

賢者会議でネオトピアで開催されるジャウストへの出場を打診されるゼッド。「ネオトピアに行けりゃなんでもいい。俺はノアに会いたいんだ」 大変素直な理由でよろしい。
ジャウスト世界戦は、現実世界でいうところのオリンピック的な理念があるようですね。とはいっても、裏では各領域の様々な思惑が渦巻いているのでしょうが。ジーモット、タスク、ウルバークスと各領域の代表者も続々と決定。ウルバークスは雑誌で見て名称だけ知っていたのですが、全然本編で出てくる気配がないのでなかったことにされたのかとばかり。
ギンガはウルバークス出身で、その科学力を使った人工シャードキャスター(……たぶん。もしくは元々シャードキャスターで力を増幅させた?)ですか。一口にシャードキャスターといっても、獣人のように体内でシャードを形成したり、ウルバークスのように人工だったり、カルブ・フーのように個々ではなく全員で共鳴してスピリットを呼び出したりと、違いがあって面白い。


風車の傍に腰を下ろし遠い目をしているロイア。何故皆そんなに風車が好きですか? いや、テンプラーっぽさの象徴ということで多用しているんでしょうけど。
ゼッドの「見慣れた風景をこうやって逆さまに見ると、どこか違う場所に来たように見えるんだ」は、DVDブックレットでの監督コメントに書かれていたことをフォローするためのセリフ? ここでのゼッドは、全体的にちょっと説明口調くさいような。
「好きにするがいいさ」と去るゼッドに、「いつもそればっか。……たまには、さ」とちょっぴり不満気なロイア。不安定な精神状態にあるから誰かに引っ張ってほしいんでしょうね。好きにするがいいというのは、相手の意見を尊重しているとも相手に興味がないとも取れますが、あれでもゼッドなりに心配して励ましに来たんだろうし、その辺の気持ちは汲んであげても……そんな余裕はないか。


ネオトピアで再び再会するゼッドとノア。「ノア! ははっ」と子供のように無邪気に駆け出すゼッドが非常に可愛らしいです。本当に感情表現豊かになったなあ。放送開始前に「笑顔の設定すらありません」と言われていたのが嘘のよう。でも、「ゼッド、会いたかったよ」「ああ、俺もだ」と見つめあうシーンはこっぱずかしくてつい笑ってしまいます。やっぱりノアの表情や口調が何とも……。堀江さんがああいう発言するのも分るなというか。これが女性向作品だったり二次創作だったりするならばそういう仕様だと分って見ているので、この程度でこそばゆい気持ちになることもないのでしょうけどねえ。
ノアはどれくらいゼッドに心を残しているのかが疑問でしたが、ゼッドが大切な友人であること自体には今のところ変わりはないようですね。後々ノアのゼッドの強さに憧れている部分が、マイナス方面に変換増幅されて嫉妬妬みを抱くようになるのかなと考えてみたこともありますが、「君と同じ強さを手に入れることが出来たんだからね」というセリフが出てきたのでそれもなさそうな。とすると、ノアがゼッドと今後対立するだろう理由は「絶対規律に反するから」の一点のみなんでしょうか。私としては思想的な部分だけではなく、ノア個人の感情的な理由もほしいかも。


ゼッドとノアが再会しているのと同じ頃、ロイアとサギリが初対面。最近ノアはすっかりサギリに冷たくて不憫に思っていたので、新しくお姉さんが出来て良かったなとホっとしました。行き場の失ったお守りも渡す先ができたし。ゼッドとも再会して、懐いてくれたりしたらいいなあ。そして、ゼッドとロイアとサギリが揃っているところを見たいです。ゼッドがサギリを肩車とかして(何か別の作品と重ねてないか?)。


新キャラでネオナイツの眼鏡っ娘が登場。何故女性だけ露出度が高いのか……。眼鏡っ娘に「あなた、一体何者なの?」と言わせているのは、救世主という枠だけには収まらない何かがノアにはまだ隠されているということでしょうか。それとも、単にノアの「全てはあの時から僕の運命は動き出したんだ」への繋ぎ? このセリフの後で普通なら「あの時」の回想シーンが入るのに、それがないまま終わってしまったのであれ?と思ったら、次回の総集編へのフリでしたか。やっぱりやるんですね、総集編。退屈しない構成だと良いのですが。