第66回アニメスタイルイベント「芦田豊雄の素顔を語る!?」 レポ3

2012年1月11日(水)19:30〜 新宿LOFT/PLUS ONE
出演者:神志那弘志さん、吉松孝博さん、わたなべひろしさん、大徳哲雄さん、小黒祐一郎さん(司会)
記憶のみで書いていますので誤りなどもあるかもしれませんがご了承ください。発言者名がない部分はどなたのか忘れたところです。一部敬称略。 →レポ 1 / 2

第2部 芦田さんと作品を語る!?

20分の休憩を挟んで、約21時頃スタート。神志那さん、吉松さん、わたなべさん、小黒さんが登壇。芦田さんが関わった作品について、順番に語っていく形式でした。『ワタル』より前の作品は分からないため、ピンと来ないままに書いています。おかしなところがあったらスミマセン。
『009』 1979年 キャラクターデザイン・総作監
スクリーンに吉松さんが紙に書いたタイトルをそれぞれ映していたんですが、間違って007って書いていたのを9に直していました(笑)。
「わたなべ:芦田さんの設定の島村ジョーは憂いがあって良かったんですよ」
OPは金田さんが原画を担当されたそうですが、芦田さんの修正はほとんど入っていないとのこと。「わたなべ:芦田さんもこれは修正できないよ、って。動画も金田さんが結構描いてるはずです」「金田さんの原画は動画拾えないよね」 9人が回りこんでいくシーンが途中で白くなっていくのは面倒くさくなってしまったから、とのこと。「小黒:あそこは白黒版『009』が好きだったからリスペクトした、と金田さんから聞いたんだけど」「わたなべ:当時、面倒くさくなったと言ってましたよ(笑)」
「吉松:回顧展のガラスケースの中に置いてあったぞんざいな塗りの『009』の線画は、息子さんの塗り絵なんですよ」「贅沢な塗り絵だよね〜」 展示を見た時、さらっと色を付けたにしてもこの塗り方は……???と引っかかっていたのでこれでスッキリしました。
『青い鳥』 1980年 キャラクターデザイン
OPが何パターンかあり、知らない女性が歌っているバージョンもあった。主人公とヒロインが『ヤマト』のキャラクターに似ていた。毎回ミュージカルシーンがあって、そこで『ヤマト』の艦隊の素材をそのまま借りて来て使い、最後に爆発させていたような回もあったとのこと。
『アラレちゃん』 1981年 演出・作監
色々細かい作画の話題になっていたので、ついていけませんでした(笑)。芦田さんが担当したオリジナルの「八ツ墓ものがたり」がスゴイという話が出ていました。私は『アラレちゃん』は再放送で見たクチで、きっと芦田さんの回も目にしていたのだろうなあとは思います。
「吉松:新人の頃、練習でアラレちゃんのトレスをやってましたが、眼鏡とか髪の毛が難しかったです。1日が終わって芦田さんに渡しに行くと、ほっほっほっじゃあまた明日、みたいな」「わたなべ:実は渡してもたいして見てないんだけどね」
ミンキーモモ 1982年 キャラクターデザイン
「何で芦田さんは『モモ』ではキャラデザだけだったんだろうね?」「あの頃は、各作品で社員をプロデュースという感じで、わたなべさんには『モモ』をって」「わたなべ:OPに名前を出したほうが良いと言ってくれたのも芦田さんだし。おかげで名前を知ってもらえるようになって」
「わたなべ:湯山監督にこれで6000枚使ったらすごいぞと言われて、じゃあやってやるぞと本当に6000枚使ったり。OVATVシリーズでやれなかったことを詰め込んだら2万枚になってしまいました。あの頃は枚数制限がなかったし」
バイファム 1983年 キャラクターデザイン・作監
当初は、サンライズでマンガチックな絵柄でロボアニメをやるな、という批判の手紙もライブに届いたりもしたそうです。ライブは3班体制で作画ローテーションを回していたとのこと。神田監督の要求が高いこともあり、枚数が多くなってしまいサンライズに呼び出されて怒られたりもしたのだとか。
今までは画面に一人二人のキャラクターを描けば良かったが、『バイファム』はメインが13人いたので、一気に労力も13倍になって大変だったとのこと。「回顧展で思ったんだけど、沢山キャラクターを描くのって大変なのに、芦田さんのイラストはどれもいっぱいキャラクターがいるんだよね」
「わたなべ:エロ本のイラストは僕が描きました」「そういえば、芦田さんのそういう絵って見たことないね?」「自分が描く絵に対しては、ストイックだったというか」
バレンタインには各キャラクター宛てにチョコが沢山届き、皆で美味しくいただいたとのこと。
版権イラスト
「『バイファム』で急に版権(雑誌やグッズの描き下ろし)が増えましたね。ちょうどアニメイトが出来てグッズが販売されるようになったから」「小黒:でも、『モモ』の頃も結構描いてたんじゃ?」「わたなべ:『モモ』は会社を通さずに個人的に受けてたことが多かったんで……」「吉松:わたなべさんて、そういうところあるよね〜」「わたなべ:個人的に受けてたやつとかでも実は会社に抜かれてたりするんですが、芦田さん酷いんですよ(笑)。5万で受けたから4万8千お前に渡すからとさもちょっとしか抜いてないように言いつつ、実は10万の仕事だったとか」 吉松さんの「わたなべさんて、そういうところあるよね〜」は至るところで発動していて面白かった(笑)。「わたなべ:その頃は『○○○○』(他社作品)をやってたんで、あまり知らないなあ」「吉松:わたなべさんて、そういうところあるよね〜」みたいな。
「小黒:アニメージュで『ワタル』や『サイバー』の版権はサンライズを通さずに直接ライブへ発注してましたけど、どんな仕上がりになるかサンライズは知ってたんですかね?」「どうなんでしょう? 版権使用料は支払われていたはずですけど」「小黒:あの頃のライブは、一つだけ独立してて治外法権な感じでしたよ(笑)」
『ガラット』 1984年 キャラクターデザイン
「吉松:『ガラット』は、サンライズのロボアニメの年表とかではいつも抹殺されてるんですよ(笑)」「OUTがあったから出来た作品だよね」「どすこい姉妹が実は重要なカギを握っているとか、本編だけじゃ分かんないよって言う」「もう芦田さんが監督やれば良かったのにね(笑)」
この頃、モブキャラにライブ社員の似顔絵をよく描いていたとのこと。
北斗の拳 1984年 シリーズディレクター・演出
「吉松:毎週放送が始まる前に、今回の見どころを嬉しそうに解説してくれてました」
「神志那:劇場版でモブがズラっといるのをやりましたが大変でした」「わたなべ:今みたいにコピペできないもんね。デジタルになって良かった(笑)」 劇場版で指先にボカシが入っているシーンがあったそうですが(グロ規制で)「何かよっぽど卑猥な形にでもなってるのかと、逆に気になりますよね」


続く。あと1回か2回で終わります。何かレポ書いてて、自分が覚えてる神志那さんの発言が極端に少ないように思ったり。まあ、実際に発言量はわたなべさん>吉松さん>神志那さんみたいな感じでしたが……。