「第65回アニメスタイルイベント 吉松孝博VSサムシング吉松」レポ8(完)

レポ内容は、記憶を頼りに書いていますので、若干間違っていたりするところもあるとは思いますが、ご了承ください(一部敬称略)。口調も適当です。  レポ1 レポ2 レポ3 レポ4 レポ5 レポ6 レポ5 レポ7

第2部 ゲスト:西村聡さん やっと終わり

プロ魂

「〈西村〉吉松は新人の頃から、プロ意識が高かったよね。昔、先輩がふざけて吉松の利き腕にプロレス技かけようとした時、アニメーターの商売道具に何て事するんだ!と本気で怒ってたよね。普段怒る姿なんて見たことないのに」「〈吉松〉あの先輩とはよくケンカしてましたねえ」 ちなみにその騒動の原因は、吉松さんがもりもりぼっくんの録画を忘れたからだそうです。
西村さんは「吉松ほどコンテの要求を的確に読み取って、かつ消化して表現できる人間はそういないですよ」と褒めていました。視聴者側では、基本出来上がった映像だけしか観られないですからねえ。好きな作品の脚本やコンテと本編映像を見比べる機会なんて滅多にないのが残念。

芸人魂

「とくかく人にウケたいんです」と吉松さん。若い頃は、初号試写でいかに笑わせるか、あそこのカットは吉松だな、と分かるくらいの原画を描くことに注力していたそうです。奇面組では、スイカ割りのシーンにアドリブで北斗の拳パロ(零とレイをかけた)を1カットで収まりきらないぐらい描いたりしたとか(『奇面組』の頃の孝博)。ウケたい欲は、サイバーがヒットしたことでだいぶ満たされたとのこと。そういえば、吉松さんのアドリブが入ったワタル2第1話の龍神丸の「やあワタル」は、社会人になってから観た時に大笑いしました(スタジオライブ.web スペシャルコンテンツ)。

セーラー西村

サイバー終了後にスタッフで作った同人誌が登場。その中の仮面座談会の西村さんの仮名がセーラー西村で、何故そんな名前だったのかという話に。当時、セーラームーンもやっていたからだそうですが、セーラームーンの変身シーンの原画は西村さんが描かれたとのこと。初期プロデューサーだった佐藤さんの要求が厳しく、元々の変身シーンの原画担当だった人から西村さんにお鉢が回ってきたそうで。「変身シーンのリボンの動きは原画のアドリブです」と西村さん。

芦田P

「芦田さんは才能を見抜く能力、プロデュース能力が優れていたよね」「色々やりたいこともやらせてもらえて、芦田さんには本当に感謝しています」と吉松さん西村さん。入社1年目でいんどり小屋に入った吉松さんが20年間キャラデザイナーで活躍、いんどり小屋には一度も選ばれなかったという西村さんが監督やコンテ演出で活躍されているのは、芦田さんの初期の見立て通りといえるのではないでしょうか。組織において、適材適所の人材配置が出来る上司がいるかどうかは重要ですよね。

メジャーな作品を

現在放送中のハンターについて。「〈小黒〉反響が大きいみたいですね」「〈吉松〉色々意見をいただけるのは有難いです」
「ビデオや深夜放送の作品が多かったので、子ども観るようなメジャーな作品を、という夢が叶って良かったです」と吉松さん。「不思議な時間帯(10:55〜)にやってますがよろしくお願いします」 その辺りの時間帯のアニメというとマク7を思い出します。あれも後になって何であんな中途半端な時間にやってたんだろうと。まあ、今回は私の地域では、朝7:30からでたぶん1周遅れぐらいなんですが。リアルタイム視聴しようとして、結局寝坊で1.5話分しか見れていないという……(予約でもしとけよ)。

第3部 オマケ上映会

明確に3部という区切りがあったわけではありませんが、吉松さんが仕事の合間にノーギャラで作ったという自主制作アニメ2本を上映。あれ、2本? 何かもう1本あったような……、うっ思い出そうとすると頭痛が……というわけで、観たのは2本だけです。
1本はケーブルテレビだかの番組用のOPアニメ。「アニメの制作過程を15秒(30秒だったかも)で表現して、と言われて。これは、ハロプロのライブで流れたアニメムービーにインスピレーションを得ました。ハロプロも仕事に役立ってるんです!」
もう1本はラーメン大戦(大地監督主催チャリティーアニメ上映会)というマンガ原作物(?)。原作の方は知らなかったのですが、笑えました。「依頼された時にノーギャラでいいですよ、とは言ったけど、本当にノーギャラとは……」と吉松さん。
3時間のトークイベントもついに終わりに。「これからもハロプロファンとして頑張りますので、生温かく見守ってください」と吉松さん。最後はキャラクターデザイン20周年を記念し、皆でイノキの「1!2!3!ダーっ!」の掛け声で締めとなりました。

エピローグ

イベントが終わりお金を精算する列に並んだのですが、客席に降りて観客(知り合い?)と談笑されている吉松さんを発見。これはチャーンス!?と列を離れて、じりじりと吉松さんの近くへ接近。タイミングを見計らって、握手させていただきました。この手からゼッドが生み出されたのか……。少しお話ができそうな雰囲気だったので、イベント中は出せなかった昔吉松さんが描いたマリアの雑誌をお見せしたところ、描いたこと自体覚えてないようでした。まあ、15年以上前のですからねえ。
握手と少しお話しもできてラッキー♪とホクホクしながら会場を後にしたのですが、しまった!牙のデザインについて気になってたこと質問するの忘れたああああーっっ!!と気付き、自分の抜けっぷりにガックリ……。御本人に伺えるまたとないチャンスだったのに……ううう。いやでも、「牙大好きなんです!」とは伝えたし!
そんなこんなで、絵描きさんのトークを生で長時間聞くのは今回が初めてでしたが、とても楽しかったです! ライブ(芦田さん)のお話も色々聞けましたし。やっぱりスタッフさんのトークは興味深くて面白いなあ。最初は行こうかどうか迷ってたんですが、行って良かったです。満足満足(質問し忘れたことを除けば……)。