「第65回アニメスタイルイベント 吉松孝博VSサムシング吉松」レポ4

レポ内容は、記憶を頼りに書いていますので、若干間違っていたりするところもあるとは思いますが、ご了承ください(一部敬称略)。口調も適当です。  レポ1 レポ2 レポ3

第2部 ゲスト:西村聡さん 続き

清涼剤

アニメージュに連載されていたサイバー記事の吉松さんのマンガは、スタジオの重い空気が和らぐ清涼剤になっていたようです。そもそも誰かマンガ描ける人いない?という依頼が来た時に吉松さんに白羽の矢が立ったのは(サイバーフォーミュラ日記その6その7)、作監チェック上がりのカットの表紙に連載マンガを描いていたりしたからなんだとか。そのマンガをまとめた同人誌を壇上のスクリーンに写していました。作品はグランだったのですが、まあその何というかグランファンは見ない方が良いだろうなあという内容でしたが(笑)。「忙しくてマンガなしで回すと、上がりはいいからマンガを寄こせと怒られました(笑)」

テコ入れ

福田監督と同じ誕生日の新条。アニメージュの人気投票で新条の順位が低いことに納得のいかなかった監督は、テコ入れ作戦を決行(手押しゴールシーン)。結果、目論見通り順位が上がり監督はほくそ笑んでいたとか。

ダンボールいっぱいの

「〈小黒〉サイバーの頃、バレンタインにファンからのチョコが紙袋2つ分届いたんだよね」「〈吉松〉ダンボール2箱分です! 全部食べちゃったからなあ。取っておけばよかった」(最も強烈だったチョコ

変身

「〈小黒〉サイバー終わってから会った時、あなた誰?というぐらいこざっぱりしてて、売れると人って変わるんだーと」「〈吉松〉まあ、一瞬だけでしたけどね」

コラボレーション

「キャラクター表を描いた時点ではまだ完成してないんですよ。他の方が描かれたのを見て、ああそういう風に描けばいいのか!と。作画さんとのコラボレーションです!」 OVAの時には他の作監さんに「キャラ表と違うじゃん」と言われたこともあったそうで(アニメ制作あるある(1))、それに関連して芦田さんのエピソード(社長、今なら分かります)もお話されてました。

BD-BOX

会場にはTVサイバーBD-BOXのチラシが置いてありました。
「〈吉松〉絵柄は日々熟成していくので、熟しすぎて今サイバーを描くと「違う!」と言われます」「〈小黒〉チラシのハヤト、眉毛がりりしくて熱血主人公みたいだよね。髪のボリュームも少なくない?」「〈吉松〉髪の毛は理由があるんです。そのまま描いちゃうと、あすかが隠れて見えなくなっちゃうんですよ」 集合絵を描く時、ハヤトや加賀などのツンツン頭は後ろのキャラクターが見えなくなってしまうので苦労したそうです。「チラシはサンライズ30周年記念カレンダー(サンライズの忘年会に参加)で描いたのを流用してますが、BOXジャケットは描き下ろしてます。ちゃんとキャラ表見て描きました!」
インナージャケットも何枚か吉松さんが描き下ろしているそうですが、ハンターで忙しい吉松さんを見かねて、レイアウトは西村さんが手伝われたのだとか。「メカもあったんで助かりました」と吉松さん。ちなみに、加賀のレーシングスーツは間違って(?)描いているそうです。「本当はアオイのスーツを着せなきゃいけなかったんだけど、資料が出てこなくて初期のなんです。加賀が今日子に追いかけられているような構図だったので、「そのスーツは違うでしょー!」と今日子に怒られているというシチュエーションをでっち上げました」
30周年記念カレンダーは、お正月に期間限定でサンライズのサイトに掲載されていました。芦田さん(ワタル)、平井さん(リヴァイアス)も描かれていたので、私の萌えキャラデザイナー揃い踏みだっ、すげー!と軽く興奮した覚えがあります(吉松さんは作品違いましたが)。

人一倍やればいい

「サイバーの時は本当に仕事をしてましたね。周りの若手には苦労を強いていたので、いつ逃げ出してしまってもおかしくない状況で、自分がひたすらやるしかない。そうすると周りも「吉松があんなにやってるんだから」と頑張ってくれたんです。これは芦田さんに言われたことでもあるんですよ。「お前が一番仕事すればいいんだよ」と。それは実践してましたね」


続く