「第65回アニメスタイルイベント 吉松孝博VSサムシング吉松」レポ3

レポ内容は、記憶を頼りに書いていますので、若干間違っていたりするところもあるとは思いますが、ご了承ください(一部敬称略)。口調も適当です。  レポ1 レポ2

第1部 ゲスト:椎名高志さん 更に続き

地蔵人間カタイダー

入り浸っていた生徒会の文化祭の出し物として作った、吉松さん監督の特撮作品。「宗教ヒーロー物で、地蔵がいかに堅いかということにコダわった作品です。僕は敵のサビエル仮面をやりました」

トップランナー

「〈吉松〉マラソンに例えると、やっぱりトップを走っている人は大変だと思うんです。僕は中盤ぐらいで走っているので長続きしたのかなあと」「〈椎名〉自分も、トップに行かないように調整しているんですよ(笑)。○○先生、前へどうぞどうぞ、と。他人の後ろを走って、なるべく空気抵抗がないように(笑)」「〈小黒〉前に原作物だから続いてるけどオリジナルやったらダメになるって言ってたけど、10年前、ムリョウやったけど大丈夫だったじゃない?」「〈吉松〉幸か不幸か、あまりヒットしなかったからかと……」 なるほど、牙もオリジナルですが(以下略)。

めぐりめぐって

吉松さんは当初椎名さんが高校時代の知り合いだとは思わずマリアにハマったそうですが、椎名さんによって奪われた美少女成分が椎名さんの生み出したものによって還ってきたんだね、と頷いている吉松さんと小黒さんに「なんで二人で上手いこと言った!みたいな顔してんの!?」と椎名さん。

ロビーナちゃん

「〈吉松〉“ロビーナちゃん*1”と対談したのは世界で僕だけです!」「〈椎名〉近所で撮影してたのですれ違わないかなーと思ったけど、残念ながらその機会はなかったです」 対談の時の写真を単行本掲載した時、マルシーを付け忘れて東映に怒られたのだとか。「ロビーナちゃんからのFAXは今でも額に入れて飾ってあります」

終わらない文化祭

「〈吉松〉皆で一緒にモノを作るというのが好きなんです。ずっと文化祭が続いているような。自分がその空間にいられなくなった時どうなるのかな?と思うとコワイですね」「〈椎名〉あ、(うる星の)ビューティフル・ドリーマーって押井監督の実感なのかな?」「〈吉松〉たぶん、そうなんだと思いますよ」

トモダチ=ライバル?

自主制作アニメを作りつつもマンガ家にも興味があった吉松さんと、アニメが好きでアニメーターになりたいと思っていた椎名さん。そんなお二人が高校の時に出会い、椎名さんは吉松さんを見て自分にはアニメーターは無理だと挫折し、吉松さんも雑誌に掲載された椎名さんの投稿作を読んで、こんな風に自分には描けないと挫折感を味わったそうです。
愛の自由落下制作中に、椎名さんも原画をやりたがっていると人づてに聞いた吉松さんは、自分より上手く描かれたら立場がない、アマデウスは自分だけでいいんだ!と思い、次回作で頼もうよと濁してしまったそうで(次回作の予定もないのに)。「今は自分より上手い人に描いてもらうの、アリなんですけどね」 それがずっと引っかかっていた吉松さんは「大江戸で一緒にアニメの仕事が出来て少し罪滅ぼしになったかなーと」。
「〈吉松〉週刊連載マンガは、1週間で次の話数が出来上がっているのが自分には信じられないです」「〈椎名〉藤子先生のマンガにあったんですが、時間が耳元でごーっと音を立てて流れていくような感じです。1週間が1日みたいな感覚で」「〈吉松・小黒〉それ訊いたら、自分達が忙しいだなんて言ってちゃいけないね」
学生時代に才能を認め合った(?)お二人が、時を経てアニメーターにマンガ家とそれぞれ成功されて再会して、こうやってトークイベントでお話しされているのを見ると、やっぱり巡り合せってあるんだなあと思います。と締めたところで、第1部レポはこれで終了。

第2部 ゲスト:西村聡さん

休憩を挟んで第2部スタート。サイバーEDの曲で、ゲストの西村さんが登壇。吉松さんと西村さんはスタジオライブの同期(吉松さんの方が半年ぐらい早い)だそうです。主にサイバーやトライガンで一緒にお仕事されていますね。西村さんと言うと、私の中で最初に思い浮かぶのがワタルの温泉ポスター……。下半身の露出具合がちょいキワドくて、中学生の自分には無駄にインパクトあったんでしょうかね。

今が苦しいからこそ

TVサイバーのライブ班はライブ社内で作業していたそうですが、一人だけ人身御供としてサンライズへ出向した西村さん(サイバーフォーミュラ日記その4)。「何をやってもうまくいかない感があって辛かったですね。隣のスタジオの勇者班は楽しそうなのに……。スケジュールが厳しくて、悲しい作画になってしまった回もありました」
サイバーのスタジオにはTVが置いてあり、「♪今が苦しいからこそ、明日が輝くのさ〜」とEDが流れているところに、衝立の向こうから「この歌詞って、今のサイバー班みたいだな……」という進行さんの呟きが聞こえてきたりもしたそうです。

犠牲になったのは

アニメにサムシング吉松吉松アニメキャラ列伝)という解説キャラクターが出た回は、編集時に尺オーバーでこの変な解説者いらなくね? アニメ誌にもう記事載ってるから切れませんというやり取りがあり(サイバーフォーミュラ日記その13)、結局削られたのは初登場のランドルの活躍。可哀想すぎる……。「このキャラクター(サムシング)はアニメージュの独占記事にしていいですよとサンライズさんに言われたけど、こんなんニュータイプで記事するわけないよね」と小黒さん。


続く。

*1:燃えろ!!ロボコン」という特撮に出てくる少女ロボット(見た目はほとんど人間と変わらない)らしいです。