朗読劇クリスクロス

小説の「クリス・クロス」が舞台化されると知り、かねてより機会があれば観てみたいと思っていた高橋由美子さんの舞台も同時期にあったので、2つの舞台を鑑賞に東京に行ってきました。スケジュールに余裕がなく開演時間が15時・18時と近い回で組むしかなかったため後半の舞台に間に合うか心配でしたが、会場が中野・荻窪と近かったので何とかセーフ。そういえば、中野・荻窪間の移動の時に阿佐ヶ谷を通過したので、この辺りに相葉家があるのかあー(約200年後に)と思いながら眺めてました。
中野といえば、中野ブロードウェーに初めて行きました。方向音痴なのでなるべく乗換せずに山手線だけで済ませたいという気持ちが強いため、イベントでもないと中野まで足を伸ばすことがないんですよね。ブロードウェーのだらけで牙関係のものをGETし、地下のアジア系の雑貨屋でちょっとアミルのシャードっぽい感じのリングと羽根のペンダントもGETして結構なテンションに。すでにもうそれだけで目的を達成した気分になってしまいました(笑)。

「明日の幸福論」 劇団HOBO第二回公演

2010.03.06(土)15:00 中野テアトルBONBON
高橋さんは、ワタル2の主題歌を歌われていたのがキッカケでファンだったんです。ファンと言ってもお金の自由にならない中高生の頃なので、出演されているTVを観たりラジオを聴いたりが主で、CDはシングル数枚購入した程度でしたが。ラジオで一度ハガキが読まれた時は嬉しかったですねえ。そんなワケで、今は舞台で活躍されていると知ってから一度は生で拝見したいと思って早数年。ついにその機会に恵まれました。
舞台は昭和の貧乏長屋。酒屋のツケの取り立てに払うお金もない住人達。ひょんなことから手に入った大金。そこから巻き起こる一晩の騒動。
和服姿の高橋さんは綺麗でした。一番笑ったのは、男3人が狭い押し入れに籠るシーン。あれだけ本格的なセットの舞台は初めてでした。ふすまの黄ばみ具合や障子の破れ具合等もかなりキッチリ作られていて。まず感心したのは窓の外の夕暮れから月明かりに照らされるといった時間経過(途中雪も降っていたり)や、玄関の戸を開け閉めした時の外の風の音の聞こえ具合等、演出の細やかさですね。今まで観たのは、そういった部分は大雑把な舞台が多かったので(それが駄目だとか手抜きだという意味ではないですよ)、何だか新鮮でした。
パンフレットのメッセージにこうありました。『「昔のヒトと比較するとき、今のヒトとの年齢を八掛けで数えるといい塩梅になる」という話を耳にしました。(中略)皆さんもご自身の年齢を八掛けしてみてください。どうです? 少し気持ちが楽になりませんか?』と。少しどころかかなり気が楽になるなとしみじみ思った20代中盤(八掛け)でした(笑)。
次の機会があれば、高橋さんの歌声もお聴きしたいのでミュージカルを観に行きたいですね。

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「朗読劇クリスクロス」 演劇ユニット イチイコ

2010.03.06(土)18:00 荻窪メガバックスシアター
クリス・クロスを知ったキッカケ。ワタルの主題歌でお馴染のアーティストが別作品(ラジオドラマ)の主題歌を歌うと知り、その番組を聴く→その番組のパーソナリティが新番のラジオドラマであるクリス・クロスの告知をしていて、その流れで聴く→クリス・クロスのラジオドラマにハマる→ラジオドラマを収録したCD購入→原作を購入→その作家さんの新シリーズが今現在5年以上刊行されず(ここは関係ない)。
原作発売から15年以上経った今何故舞台化!?と驚きましたが、ラジオドラマを毎週楽しみに聴いていた身としては非常に気になるわけで知ったからには観てみたい。しかし、何度となく原作を読み返しているから新鮮味はないだろうし、キャストも自分は名前を知らない方ばかりだし、これだけで飛行機代出すのはちょっとバクチ……ともう一つ用事を作ろうと調べてみたら、ナイスタイミングで高橋さんの舞台があったわけです。
今回は朗読劇ということでどんな風になるのかな?と思っていましたが、状況に合わせて立ち位置を変更したり、現実世界では実際に演技もしたりとメリハリもあって、声と表情の演技のみながらも十分に迫力や緊迫感は伝わってきました。
最初にクリスクロスの世界観からかなりズレた葉っぱを身にまとった森ガールズ(適当に言ってます)が出てきた時は何この人達!?と面喰いましたが、観客をダンジョントライアルの一般テストプレイヤーに見立て、森ガールズはナビゲーターとしてゲームの概要を説明する役でした。ファミコンのカセットの差し込む部分に息を吹きかけるジェスチャーには、皆同じことやってたんだな〜と(笑)。
原作では主人公の一人称、ラジオドラマでは主人公のナレーションとパラメーターの音声ガイドで状況説明していましたが、朗読劇では基本的に説明を台詞に織り交ぜている感じで、原作やラジオドラマを知らない方はゲイルが主人公だとは分からない構成になっていました(特に支障はなかったです)。原作ではプレイヤーの現実世界での描写はほとんどありませんでしたが、朗読劇では現実世界での設定も付け加えて性格付けも多少変更され、キャラクターを膨らませてアレンジしていましたね。
朗読劇では、ゲイル:無職で元会社の駅伝部所属、リリス:看護師、ナウル:マンガ家志望、ユート:女の子、シェイン:超キザ、ミナ:女優というような感じで、この設定変更が最終的にはラストへ向けて繋がっていきます。ナウルのゲームオーバーへの展開あたりには成程そう来るかと感心したり。それにしても、シェインのキャラ付けはズルイと思います(笑)。原作でも紳士的な態度がキザったらしいと揶揄されていたりもしましたが、朗読劇ではそれがギャグ方面に強化されていて、もう存在自体が可笑しくて。そのうちに台詞を喋る前から来るぞ来るぞ、と笑いが込み上げてくる始末。あのハートのベルトは一体どこから見付けてきたんでしょう。
朗読劇のラストは原作の趣旨からはズレてしまっている感はありますが、「朗読劇クリスクロス」としてのアレンジや趣旨(朗読劇は『仲間』がテーマなのかなと)は一貫していましたし、私としてはとても面白かったので全然アリです。香水(アロマ)の演出も素敵でした。最初は観に行くかどうか迷いましたが、行って良かったです。

クリス・クロス―混沌の魔王 (電撃文庫 (0152))

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クリス・クロス CDシネマ(3

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