牙-KIBA- 第32話「国家の思惑」

「……これがオレのおふくろなんだ。驚いただろ?」「はじめまして、ノアと言います」


ジャウストが終わっても、息をつく間もなく色々と盛り沢山の回でした。


ネオトピアから戻ってきてから、始終塞ぎ気味で話しかけられても空返事のゼッド。普段の彼ならば、審議会でロイアを庇ったりミッキーの出店を一緒に喜んであげられるのでしょうが、今はもう自分のことだけで精一杯の状態。前回よくロイアを助けるだけの気力があったものです。頑張ったよねゼッド、エライよ。
ゼッドを心配したロイアは皆を誘ってピクニックへ。ゼッドは釣りをしながら相変わらず上の空で、ミッキーにノアのことを訊ねられ「二度とその話をすんじゃねぇ!」と激昂して八つ当たり。「憎んでいた」発言が相当に効いているようです。でも、その後2回も謝ってましたね。ゼッドの感謝や謝罪は案外キッチリしているところには感心します。
前回の次号予告を見て、自分から羽飾り捨てちゃうのか……としょんぼりしていたら、捨てたわけじゃなかった! 落とした羽飾りを一旦はそのまま置き去りにしたものの、いくらも経たないうちに結局拾いに行っているのが何ともいじらしくて。羽飾りはもう一度付け直すのか、外したままなのかが気になります。
同じく満月の下で物思いにふけるノア。「君にはわかってほしいんだ」と、まだゼッドの理解を得ることに拘っている様子。しかし、貴方の発した一言で親友は相手の気持ちを慮る余裕なんて全くなくなっていますよ? 自分の言葉にそこまでゼッドがショックを受けるとは思っていないのかな。ゼッドの中での自分の存在はそれほど大きいものではないと。
この二人のシーンは、ゼッドの横顔からノアの横顔にオーバーラップするところがまたツボです。


ミッキーは留守番中に自分のお店を持ち、いつぞやのロベス邸のメイド・ピーノと良い仲に(というかバカップル)。あのメイドが1話限りのゲストキャラで終わらなかったことにオドロキました。未だに歯抜けで「しゅーしゅー」言ってるんですね。ミッキーが差し歯をプレゼントしてあげたら良いと思います。
ロイアに「ミッキーって、私なんじゃなかったっけ?」と言わせているのは、さんざん視聴者やキャストに突っ込まれたからでしょうか。こんな形でキャラクター設定の齟齬を微妙にフォロー(?)するとは。
ピーノが指を切った時の「くあー、この顔かあー!」というロイアの表情が可愛い。今回のロイアは全体的にコミカルな表情がキュートです。


ロイアとゼッドの処遇について、ハイラムの元へ直談判へ出掛けるジーコジーコがまともに行動を起こすのは、今回が初めてなのではないでしょうか。一応、ハイラムから一考するという回答を引き出すことに成功しました。馬車の中での会話からすると、かつて二人は戦友だった?
「偽りのスピリットを用意した茶番も演じよう」ってそれは有りなんですか、絶対規律的に。まあ、あんな軽々しくキースピリットを賞品にするのはおかしいなとは思いましたが。
建設中の塔に到着したところで、ヘリック・モレノ等ウルバークス勢の攻撃を受けるハイラム一行。何やらネオトピアとウルバークスには因縁がある模様。ノアとダイアナの活躍で事なきを得ましたが、ウルバークスの技術力を駆使したアンチスピリットシステムとやらは、キースピリットにも効果があるようです。ヘリックはスピリットを使用していましたが、ギンガは自分だけで封じていたところを見ると、それだけギンガの戦闘能力は高いということでしょうか(キースピリットか否かという違いか?)。
再度ハイラムの命を救ったということで、ゼッド達を見逃したノアの罪は不問に。見逃したことが規律違反という点については描写せずに誤魔化されるかと思いましたが、ちゃんと処罰の対象になってました。それが判っていて見逃したということは、ノアの中でもまだどこかに「ゼッド>絶対規律」の部分があると思ってもいいのかな。
ハイラムが「絶対規律の象徴だ」と言っていた真理のストゥーバは、単なるシンボルということではなく、何かの電波を発する装置だったりしますか? ちなみに、ストゥーバというのはサンスクリット語で、日本でいう卒塔婆のことなんだとか。


ヒューは相変わらず面白い人相のままでした。アミルが自分を認めなかったことにかなりのご立腹。「そうか、それならば」って一体何をするつもりなんでしょう。矛先が直接ゼッドに向きそうで嫌なんですが……。


OPにチラリと出ていたタスク幹部4人衆が本編にも登場。しかし、一番気になっていたブリー○加賀(仮)は欠席でした。緑髪でツンツン頭でみつあみって、あれはワザですよね。ブリー○加賀、もしくは、みつあみを付けたゼッドに似ているとも言える彼は、ゼッドの血縁者か何かなんでしょうか。


満を持して(?)、ついにゼッドママンことサラが再登場。回想とOPを除くと1話以来です。今後の活躍を期待しております。
今回、また幼少期のゼッドとノアの回想がありましたが、あの様子だとゼッドが物心付く前からサラは入院してるんじゃないでしょうか。だとすると、ゼッドはずっと母親に甘える機会がないまま過ごしてきたのか……。それであれだけ母親想いならすごいと思います。正気に戻ったところで、彼の性格なら今更甘えるようなことはできないでしょうが。個人的には見たいんですけどね。
OP映像を見るにサラはシーカーズ出身ではないかと思われるので、1話でサラが眺めていたのがクラゲだということに、今になってニヤリとします(これで全然違ったら……)。


次号予告。
ゼッドは何やら寝込んでいる様子。「失われた輝き」ということは、ゼッドが腕を見つめているカットもあったし、またアミルがどうにかなっちゃうんでしょうか。例えば、精神不安定な状況が影響してゼッドの体にもアミルの拒絶反応が出てしまい、スピリットシャードを体内に留めておけなくなった、とか。これで単なる風邪とかだったら笑いますが。
ゼッドは精神面では他人の助けを必要としないでしょうが、体力面での衰弱ならロイアもヒロインとしての役割を果たせそうです。ヒーリングの力がさっそく役に立ちますね。ついでに、食事もあーんして食べさせてあげたら良いと思いますよ(それはない)。