牙-KIBA- 第30話「対決」 その1

「同情することで自分の優越感に浸っていたんだろう?」「こっちの世界に来て気付いたことがあるんだ。僕は、心の中でずっと君を憎んでた。――そう、憎んでたんだよ」


ついに迎えたゼッドVSノアの親友対決。
ためらうゼッドにも容赦なく攻撃を浴びせるノア。やっと反撃してもゼッドは以前の様にノアの体を心配していましたが、それは今のノアからすれば侮辱されたと同義なんでしょうね。


ゼッド(ノア?)の脳裏に蘇る、ノアと出会った幼い頃のカームでの記憶。
虐められていたところを助けるって、なんてベタな展開。「大丈夫か?」とも声をかけず、チラ見しただけでさっさと去ってしまうところを見ると、無愛想で小生意気な性格は昔からのようです。そして、お礼を言うタイミングを逃し、微妙な距離をあけて後をついて行くノア。ここからたぶん2話冒頭のノアに繋がっていくのかな。
二人がここからどのように友情を育んでいったのか、1話丸々なんて贅沢なことは言わないので、せめて半パートぐらいかけてやってほしいところ。その方がより対立に深みが出ると思うのですが。


サチュラを召還するノアに対してランボスで応戦するゼッド。ゼッドがあの状態なのでランボスは瞬殺されてしまうのではと思いましたが、キースピ相手にかなり健闘したと言えるのではないでしょうか。ランボス、君の勇姿は忘れない。
ノアの攻撃で飛ばされ競技場から転がり落ちそうになるも、辛うじて端に手をかけてゼッドは宙吊り状態に。そのゼッドを冷たい目で見下ろし、ぐさりぐさりと言葉の刃を突き立てていくノア。「憎んでいた」という言葉に、ゼッドはかなりのショックを受けた表情でした。どんなことがあっても常に自分の味方であり続けてくれた友人と戦わなくてはならない状況だけでもキツかったろうに、更に大きい一発が来ましたね。
ノアはいつゼッドに対する感情がマイナスに転じるのだろうと思っていたのですが、すでに気が付いていた上で表面に出していなかったとは。とすると、再会してから笑顔を向けていた時も、奥底では冷えた感情が渦巻いていた……? でも、自分が贈った物とお揃いの羽飾りを付けているし、きっとまだノアの中でも様々な感情が入り混じっている状態なんでしょう。愛情と憎しみは紙一重と言いますし。
この試合の中で羽飾りについて触れなかったということは、スタッフはもっと後の場面でより効果的に使うつもりなのかな。


その2に続く。