魔神英雄伝ワタル創世伝記(めいきんぐふぁんぶっく) その3

もう1年か……早いですね……。


だいぶ間が開いてしまいましたが、感想続き。

吉井孝幸(プロデューサー)×井内秀治(監督)

サンライズの吉井さんと井内監督の対談。

―本作が純粋な子供向け番組として作られたのは何故でしょう?
吉井:当時のアニメはハイターゲット作品が主流で、このような純粋に子供達に向けた作品を待望する背景があったのが大きいですね。(中略)ファンタジーRPGサンライズのメカの要素を加えた冒険活劇でした。

現在もオタ向け作品が多すぎと言われているように思いますが、時代は繰り返すというか、ずっとハイターゲット作品過多の状態が続いているだけか……? まあ、それはさておき、自分がちょうど小4の時にワタルと出会えたのは、本当に幸せなことだったなあと思います。

井内:『ワタル』『グランゾート』『ワタル2』の3年間はほぼ同じスタッフだったので、クラス換えのない学校でみんな楽しみながら作り続けたような感じですね(笑)。今思えばそれが作品を面白くできた要因じゃないかな。

文化祭的な雰囲気なんでしょうかね。当時、井内監督から吉井プロデューサーに「新人でも構わないからこの作品に集中できる演出家を」という依頼をしていたそうです。さりげなく『ワタル2』の時、放送日の朝にフィルムが完成したことがあるという話が……。後期OPも毎週修正が加えられていたもんなあ(笑)。キッズステーションでぜひTVOAヴァージョンを流してほしいです(笑)。
キャラクターの初期デザインも掲載。このページに掲載されているのは全部初めて見るような。ワタルの初期デザインは、多分まだ「タケル」だった頃のものなのでしょうが、タケルという名前のイメージを取り入れている雰囲気があります。眉太い。井内監督画のコスチュームデザインもあって、これは珍しい。コクピット試案は普通にメカメカしいですね。

スタジオ・ライブ『ワタル』同窓会

芦田豊雄 渡辺浩 松下浩美 只野和子 吉松孝博 藤澤俊幸 松本明子
キャラクターデザイン&作画担当のライブの方々の座談会。今、お名前を入力した時に、半分以上一発でフルネーム漢字変換出来てちょっとおかしかったです。『2』DVD-BOXブックレットのライブ座談会の時に思いましたが、10年20年経ってもこうやって集合出来ちゃうのがスゴイですよね。

渡辺:『ワタル』のメカは動かしにくかったですね。たとえば龍神丸がひざまづくだけでも……。
藤澤:そうそうひざまずく。ヒザなんかねぇよ!って(笑)。
* * *
藤澤:「走る」って言われたときは「無理じゃん」って思いましたよ。
松下:ヒザなんかないし(笑)。

ヒザねぇよ!というツッコミに笑ってしまいました。アニメーターさんはロボットやら何やら現実にないものでも、想像して描いて動しちゃうってのがマジすげーと思うのです。
OPの作画の話で、神志那さんや竹内さんは『2』からかと思っていたんですが、オープニングでは『1』も参加されてたんですね。神志那さんのワタルが回りこむカットって地面から剣を抜くところでしょうか。あそこのワタルかわゆい。でも後期OPだと別のカットになっちゃうのが悲しい……。そうそう、今キッズステーション放送されているので観れる時は観ていて、龍神丸に乗り込むところもかわゆいカットあるなあ、どなたが作画されてるんだろうと思ってたんですが、渡辺さんだと今回判明。コクピットにふわっと降りてくるカットもなのかなあ?
キャラクター設定画が2ページ分掲載されているんですが、注意やアドバイスのコメントも載っているのが珍しいです。

芦田:いやいや、『ワタル』で嫌な思い出は何もないよ。

渡辺さんの迷惑かけましたという言葉を受けてなんですが、何だかここでホロっとしてしまいました。

神部新聞 風コラム

巻末のページですが、タイミング的に先に書いてしまいます。一昨年のサンフェス・ワタルナイトの記事をまさかここで見るとは。読んでいるとあの時の興奮が蘇ってきます。ホント素晴らしいイベントでした。そして、回顧展の事も。この本の中で直接触れられているのはその部分だけだったりするんですが、あまり仰々しくしても何ですし、あれぐらいが良いのかもしれませんね。回顧展も素敵なイベントでした。

続く。