牙オフィシャルファンブック 感想その2


年をまたいでの感想になってしまいました。感想その1はこちら

牙の生え始めた頃(首脳スタッフ座談会)

神志那監督とキャラデ・吉松さんとマッドのプロデューサー・篠原さんの座談会。タイトルがナイス。

吉松 ◇ 実は僕、当初から関わってまして……。(中略)「ちょっとコレ*1TVアニメーションのキャラクターにしてみて」って言われて、実験で何キャラか描いてみたことがあるんです。

吉松さん、実は監督よりも先に牙に関わってらしたんですね。そういった経緯もあって、最終的に吉松さんの所にキャラデザの話がいったのかあ。初期のイメージビジュアルは、何故ゆえバックに顔みたいのが飛んでいるのだろう……怪しいというか不気味だ。羽の生えた青年は誰だろう?と一瞬悩んだんですが、彼が元アルブレヒトさんなアミル・ガウルなんですね。

吉松 ◇ (ゼッドのコスチュームは)あまり洋服屋で売っていないような服で…っていうコンセプトだから

思わずゼッドが自分でちくちく裁縫している姿を想像してしまいました(笑)。掲載されているゼッドのデザインの変わり具合も面白い。シャードエンブレムやコスチュームも色々試行錯誤しているようですね。わざわざ両袖に描き直してくるぐらい、アメリカでは片袖が受けなかったというのがちょっぴり不思議。アンバランスなのが駄目なんでしょうか?

――(ロイアの)この胸の辺がすごく気になるんですけど。「布を取ったら胸が見えそうで怖いなあ」って。
神志那 ◇ 谷間ができるほど(胸が)ボリュームないから、ちょうどいいんじゃない(笑)?

監督がおっしゃる通り、いやらしさとかそういった不快感は確かに全く感じないんですが、あんなに開いていると同性として心配になってしまいます(笑)。作画の方もやはりそういう印象を持ちつつ描かれていたんですね。
そういえば、牙には胸を強調した女性キャラクターがいないので、監督や吉松さんは胸よりおヘソの方に興味おありなのだろうかなどと勝手に失礼なことを思っておりましたが、アメリカ側からの注文だったみたいで。エルダはセクシーさを売りにするようなキャラクターではないし、多少胸が大きかろうが揺らすわけでもないんだし別にいいんじゃとも思うんですが、子ども向けはやたら厳しいんだなあ。でも、子どもやファミリー層向けにするためにそういった部分を抑えても、結局ストーリーが対象層向けになっていないのでは意味がないような気がしないでもない。ストーリー面の注文が少なかったおかげで面白い作品を観られて、日本の視聴者的には有難いことでしたが。

篠原 ◇ (ゼッドの顔は)見慣れれば平気なんですけどね。
吉松 ◇ 平気ってどういうこと?

私も最初はなかなか受け入れ難くて、でも意外に性格は嫌いな感じではなかったので、観始めて一ヶ月ぐらいは変なジレンマに囚われてしまって悶々としてました(笑)。なのに、14話でコロっと落ちてからはもう可愛くて可愛くてたまらん状態で、自分でもその落差に驚いてしまうぐらいですよ。制作途中で目の隈を修正して少し細めにしたそうですが、バランス的にこれぐらいのがきっとちょうど良いんでしょうね。あまり細すぎても目力アピールにならなくなってしまいますし。

篠原 ◇ (作画の手間より)デザイン優先で行ってますから。ゼッドの紐は、腕を上げるとコートの下が持ち上がるっていう形になってるんで…「なんでこんな描きにくいことしたんだ」みたいな。

あの部分は観てるだけでも、描くの絶対面倒くさいだろうなと思いますもん。やっぱり作画的には不評なんだなあ。でも、分かっていてああいうデザインにしてるんですね。コートの裾にカットが入っているのは重たく見えないようにするためというのは他の雑誌のコメントでも出ていたんですが、その時からそれだけの理由ではないはずだ、きっと監督はゼッドのふくらはぎを見せたいんだ!と思っていました(笑)。あのふくらはぎは見せておかないと勿体ないですよね!


その3に続く。

*1:企画当初にあったカード用のキャラクターデザイン